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2013年02月の記事

女友達 第三十八章

   

連続官能小説  女友達 (Girlfriend)




      第三十八章 


          密会-②・・・。




「生きてるんだぜ、俺達・・・。

 残された者どうし仲良く肩を寄せ合って生きて行こうって思っても良いだろう?

  そりゃあ マヤは俺には過ぎた女房だったけど・・・

   マヤだって、兄貴だって解ってくれるさ、きっと  

    俺は・・・好きなんだよ君が・・・どうしようもなく・・・

     一緒にいたいんだよ ミサト、君と・・・」



「リョウジさん・・・」

ミサトの目から涙が溢れ出た。

長い沈黙が続いた、暫らくして

「 はっ! 」

ミサトが息を呑んだ、そして我に返ったように身を起した。


「帰らないと・・・今、何時頃かしら?」

急に不安な表情で後ろのリョウジに振り返った。


「まだ早いよ、もう少しゆっくりしても良いじゃないか、」

リョウジはそう言いながらベッドから降りて歩いて行き

テーブルの上のリモコンでテレビのスイッチを入れた、

時刻が表示されているチャンネルを探して チャンネルを変え始めた

そして、ベッドまで戻ってくると


「えらい事になってるみたいだよ。」


テレビはどのチャンネルも落雷による大規模停電の臨時ニュースを伝えていた。


〔 ・・・繰り返しお伝えいたします、落雷による被害について

現在 送電は止まったままで 復旧の めどは依然としてたっておりません

JRは架線に落雷し全線にわたり不通、又変電所に落雷があり火災が発生

道路は交差点の信号が消えたために渋滞が発生しており

鉄道各駅では帰宅客のピークを迎える時間帯になり

バス・タクシーも大変な混雑が予想され

緊急車両の通行が妨げられる恐れが出ております。

現在固定電話・携帯電話とも大変繋がりにくい状態になっています、

急用以外の電話の使用はお控えくださいますよう お願いいたします。

このニュースは続報が入り次第 お伝え致します。・・・〕




「停電って、テレビが映ってるのに?」

ミサトが不思議そうに尋ねた。


「ホテルは緊急用の自家発電機が有るって聞いた事があるよ。」

テレビ画面を見たままでリョウジが答えた。


「帰らないと・・・」

「今は下手に動かないほうが良いよ、電話は?」

ミサトはバスローブを羽織りながらベッドから降りると

バッグから携帯電話を取り出し自宅の固定電話、シンジ、レイの携帯へと

かけてみた、何度か繰り返してみたが

「駄目、繋がらないわ・・・」

携帯を耳に当てミサトが呟いた。

「長くなるかも知れないから今のうちにメシにしよう。」

「そんな、のん気に食事なんて出来ないわ・・・」

「とりあえず メールを入れておくんだよ、そのうち電話も繋がるよ、心配ないって。」

「・・・そうね」

リョウジの提案は 心配性のミサトには 少しのん気に思えたが

この場合一番懸命な選択だった。

「そうと決れば まずは腹ごしらえだ。」

彼は神戸で大きな地震を体験し、少々の事では慌てるような事は無かった。

「食事、出来るかしら?」

「たぶん、大丈夫だと思うけど。」

二人はベッドの周りに脱ぎ散らかしていた服を拾いながら身に付けた。

「ごめん、随分シワを付けちゃったよ。」

リョウジがミサトから脱がせたままベッドの脇に捨てた

白い麻のブラウスを拾いながら呟いた。

「いいのよ、どうせすぐシワに成るんだから」

美しく張りのある胸をブラジャーの中に包みながらミサトは答えた。

服を着るとミサトは洗面所の鏡で髪と化粧を直した。

彼女はテレビを見ながら待っているリョウジに羨ましそうに話した。

「男の人は良いわね・・・女は時間が掛かって・・・」



「男に生まれたほうが良かった?」

「・・・それでもやっぱり女かな?・・・」

「どうして?」

「男には子供は産めないでしょ?、だからよ」

「でも 痛いんだろう?」

「ええ、死ぬかと思ったわ。」

「それでも?」

「そうね」

「恐れ入りました」

「フフフッ 何よそれ」

「俺には出来そうも無いよ・・・」




「私も一緒にいたいわ あなたと・・・

    あなたと おしゃべりしてるだけで何となく幸せな気分になるの・・・」

ミサトはベッドに腰掛けていたリョウジの隣に座って

甘えるように肩の上に頭を預けて もたれ掛かった。




「今夜は此処で一緒にいよう、明日の朝まで・・・」

「・・・それは、駄目よ、帰らないと」

「帰れないかも知れないよ」

「えっ?・・・」

テレビのニュースが送電は止まったままで 復旧の めどが依然としてたっていないこと

電話は依然として繋がりにくい状態である事、

鉄道が不通のためバス・タクシーが混雑している事、

道路は信号が消えているために大混雑している事を、

そして 以前の震災の時のように帰宅難民に成らないように 帰宅せず、

職場で待機するよう伝えていた。

「大変な事になってるのね。」

「とにかく、食事にしよう、今ならまだ間に合う、

 このままじゃ食事にもありつけなくなるかも知れないよ。」

「そうね、行きましょう」

二人は足早に部屋を後にするとエレベーターホールに出た、

エレベーターの呼び出しボタンを押そうとしたミサトに

「念のため、階段で行こう。」

リョウジはミサトの手を掴んで階段へと進んでいった。

「そうゆう所は、用心深いのね、やっぱりこんな時は男の人って頼もしいわ。」

ミサトはリョウジの腕に腕を絡ませた。

「見かけによらず・・・だろ?」

「フフッ そんな事無いわよ・・・」

二人は五階からレストランのある二階へ並んで階段を降りていった。

「良かった、すぐに食べられそうだ。」


レストランは満席ではなかった、すぐにウエイターがやって来て

二人を奥の二人がけのテーブルへと案内した。


「良かったわね」

「君のおかげだ」

「どうして?」

「あの時テレビを見てなきゃ、解らないままだったよ。」

「そうだわ、家に連絡しないと・・・」

ミサトはバッグから携帯電話を取り出すと自宅とシンジ、レイに連絡を取ってみた

何度か繰り返してみたが繋がらなかった。

仕方なくメールを打つ事にした。



〔 電話が繋がらないのでメールにしました、 神戸のリョウジおじさんのお手伝いで

 渋谷の近くにいます。雷の為に家に帰るのが かなり遅くなりそうです、

  夕食は冷蔵庫の有り合わせで先に食べておいてね 〕


     【送信】


〈 ピッ! 〉


     【送信中です】


《 相手がメールを受け取れない状態にいます メッセージをセンターに保存しますか? 》


     【はい】


〈 ピッ! 〉


《 メッセージをセンターに保存しました 》


メールは直ぐには届かなかった、仕方なくシンジとレイの両方の

メッセージセンターに保存をした、

新着メールをチェックしてくれれば届くのだが。


「駄目だわ・・・」

ミサトはそう言うと携帯電話を閉じてテーブルの上に置いた。


「食べてから又 かければ良いよ。」

リョウジは落ち着いた声で囁いた。

「何にする?」


「・・・そうねぇ」

メニューを見ながらミサトは少し心配そうな声で呟いた。

「心配性だなぁ 二人とも もう子供じゃないんだから心配要らないって。」


「・・・子供じゃないから、心配なのよ・・・」

「どういう事だい?」

「何となく変なのよ二人とも、よそよそしいと言うか ぎこちないと言うか。」

「兄妹じゃなく男と女みたいに?」

「はっきり言うのね。」

「気付いてるかも知れないと?」

「ええ」

「で、お互い意識してると?」

「そうね」

「好意を持ってる、もっと言えばお互い好きになってると?」

「怖いのよ、もしそんな事になったら、あの子達になんて言えば良いのか・・・」

「もし、血が繋がって無いって知ったら・・・

   あり得る事だよね・・・いつ頃からなんだい?」


「半年ぐらい前に電話をくれたでしょう、

  あの時聞かれてたのかもしれないのよ、今考えると。」


「じゃあ俺が不用意にあんな話をしたから?」


「あなたのせいじゃないわ・・・悪いのは全部 私なんだから。

   それに あなたの事もレイが気付いてるみたいなのよ。」


「暫らく様子を見るしかないんじゃないかな、まあ あの子達の事はともかく

   俺たち、別に悪い事してるんじゃないんだから、・・・

   もっとオープンにしても 良い位だと思うけど・・・」
 
「何だか やけに胸騒ぎがするのよ今日は・・・」

「大丈夫だよ、何も心配要らないよ」

そう言いながらリョウジはメニューに目をやった。




 お読みくださってありがとうございます・・・続きをお楽しみに・・・。
              (執事:セバスチャン)


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