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2013年10月の記事

女友達 第四十三章

   
    連続官能小説  女友達 (Girlfriend)




      第四十三章

         
          二人だけの夜


「あっ そうだ、アスカちゃん 連絡あったか?」

目玉焼きを食べながらシンジがレイに尋ねた。


「それが、着信もメールも入ってないんだよ」

テーブルの上に置かれた携帯電話に目をやりながらレイが答えた。


「こっちから連絡してみたら?」


「・・・何となく 怖くて」


そう言ったレイの本心は少し違っていた。

レイは今夜はシンジと二人っきりで過ごせる またとない機会であり

誰にも邪魔されたくなかったのである、

たとえそれが大親友のアスカであったとしても・・・。

〈 ごめん アスカ 今夜だけは・・・

 私って何て嫌な女なんだろう・・・でもお願い今夜だけ・・・ 〉

レイは心の中でそう呟いていた。


「明日は泊りに来るんだろう?」


「うん、たぶん ホントは今日からだったんだけど」


「明日 屋根裏を調べてみよう」


「何か解るかな?」


「確か古い写真が在ったと思ったんだけど 明日にならないと 探すのは無理だな

  アスカちゃんも 同じだろうし」

「そうだよね、停電で真っ暗だもんね、明日なら大丈夫だよね」

「まっ、仕方ない、今日は諦めて 明日三人で探すか?」



「お兄ちゃん、ずいぶん諦めがいいんだね」

レイがにっこりと笑いながら言った。


「レイの方こそ そんなに新婚さんごっこがしたいのか?」

シンジもニヤニヤと笑っている。


「  ち が う よ !   あっ そうだ! お風呂どうしよう?

  お兄ちゃん 汗かいたでしょ ガスが出るから

  シャワーもお風呂も沸かせるけど?」


「あーっ でもなぁ 風呂上りがなぁ エアコンも扇風機も無しだからなぁ 

 かえって 汗かきそうだな 」


「シャワーでも浴びる?水か ぬるめのお湯で」


「レイ・・・一緒に入ろうか」

シンジの性格にしては ずいぶん思い切った 誘いだった、シンジにはそれだけ

今夜の貴重さがわかっていたのである。


〈 こんな夜が来る事は 当分ないだろう もう二度と来ないかもしれない 〉



その思いはレイも同じであった。

「 えっ!・・・」 「・・・うん、いいよ、 真っ暗だから・・・」

俯いたレイは震える声で小さく答えた。