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女友達 第四十一章

   
連続官能小説  女友達 (Girlfriend)




      第四十一章

         出生の秘密



シンジは仕方なく諦めて屋根裏から降りた。


「電池を入れなきゃな」

そう言いながら ランタンが入ったビニール袋をレイに渡し

屋根裏部屋の扉を閉め レイから懐中電灯を受け取ると

一度自分の部屋に戻り 机の引出しから乾電池を取り出して来た。


「ちょっと持ってて」

レイに手元を照らさせてランタンに電池を入れた。


「これで、点くかな?」

シンジは少し心配そうに そう言いながら ランタンのスイッチを入れた。


   〈 プチッ 〉


少し青白い蛍光灯のランプに明かりが灯り 廊下の壁に二人の影が大きく映った。


「ああ 良かった!やっぱりこっちのほうが 明るいね!」

レイは ホッとしたように呟いた。


シンジは ビニール袋を掌に丸めて 懐中電灯の明かりを消した。

二人はもう一度 一階のダイニングに下りた。

テーブルの上にランタンを置くとダイニングは少し明るくなった。

シンジはビニール袋をキッチンのごみ箱に捨て、手を洗い始めた。


「ごはん、先に食べるか?、母さん 遅くなりそうだし 」

 シンジの提案に


「そうだね・・・今日は帰って来ないかも知れないし・・・」

レイもシンジの横に並んで手を洗い始めた。


「帰って来ないって・・・泊まるっていうのか? おじさんと 」

 タオルで手を拭きながらシンジが尋ねた。


「このままだったら・・・たぶん 帰ってこないと思う・・・」

 シンジのタオルに手を伸ばし レイも手を拭った。


「どうして そんなことが わかるんだ?」


「今日みたいな日だったら理由があるでしょ、ちゃんと」


「理由?」


「帰れないから お泊りしても仕方がないなぁ・・・って理由だよ」


「お泊りって・・・芸能人が不倫した時みたいな言い方だな」


「お兄ちゃん、知らなかったの? 母さんが時々おじさんとデートしてたこと」


「えーっ! デートっ! 母さんが? おじさんと?」


「前に 母さんが言ってたでしょ、仕事のお手伝いだって、

  でもあれは 口実なのよ 二人でデートするための・・・」

 少し唇を尖らせながらレイが言った。



「ぜんぜん気が付かなかった・・・

    そう言われれば最近 やけに おしゃれになったような ・・・」

シンジは天井を見上げながら続けた。

「そうだったのか・・・」



「んもーっ 鈍感だね、お兄ちゃん」


「・・・じゃあ 母さんはおじさんと そういう関係なのか?」


「前に お兄ちゃんも 私もいない時に おじさんが来た事があったでしょ、

   あの時も おじさん 泊まったんだよ たぶん」


「泊ったって、この家にか?」


「あの時、お兄ちゃんが ケンスケ君の家に、私はアスカの家に泊ってたでしょ

    その時電話が掛かって来たんだよ 母さんから」


「母さんが電話するなんてめずらしいな、リツコおばさん居なかったんだろ?」


「うん、私がお風呂に入ってる時に掛かってきて・・・」


「で・・・?」


「その夜もアスカの家に泊ることの確認だったのよ、

  急に帰って『 ごはん~ 』ってなると困るからだって 」



「夕飯の一人分くらい 何でもない事だろう? いつも用意の良い母さんなら

     ・・・じゃあ俺達が帰って来ないことを確めたって事か?」


「うん、たぶん、だってあの頃からだもん 母さんが 時々そわそわ し始めたの 」


「 そわそわ? 」


「うん・・・おじさんに会う前だよ、アスカが言ってた、

『 おばさんも女だねー 』って」



「『 女だねー 』 か、母さんが・・・女なんだな 母さんも・・・」

シンジは少し寂しげに目を伏せて続けた。

「でも、どうするつもりだろ?母さん」



「そうなんだよね・・・でも ただの浮気とも思えないし 真剣なんだったら

   それは それで 良い事だと思わなきゃ いけないのかな?・・・」



「再婚もあり得るっていう事か?」


「ひょっとすると・・・そうかも」


レイは母からの電話の事は打ち明ける事が出来たのだが、

応接間で母ミサトと叔父リョウジがキスしているところを目撃した事は

この時は何故か まだ言えなかった。



「・・・ ・・・」


「・・・ ・・・」



「・・・まっ、何か食べよう 」

沈黙を破ってシンジが無理に明るくレイに話し掛けた。


「ふふふっ! そうだね 」

レイも諦めたように笑顔で答えた。


〈 カチンッ ! チチチチチッ ボッ!  カチンッ !〉

「ガスは使えるみたいだから 炒め物とか煮物なら出来るよ」

ガスレンジに火が点く事を確めながらレイが言った。


「煮物は なぁ~、暑くなりそうだしなぁ~」

「あっ そうだよね エアコンも それに扇風機だって使えないんだぁ」

「換気扇だって使えないんだぜ 」

「あっ!・・・そうだ! 冷蔵庫!」

「扉をあんまり開けると ヤバイな 」

「でも 傷みそうな物だったら先に食べちゃわないと 」

「そうだな・・・俺が一瞬開けるから 中身を見てくれよ 」

そう言いながらシンジはレイにテーブルの上のランタンを手渡した。


 「うん」

 〈 パタッ パタン!〉〈 ガラッ パタン!〉〈 ガラッ パタン!〉


「うーん !」

「どうだ ?」

「お豆腐ぐらいかな? あっ、あとそれからアイスと・・・」

「あんまり火を使わない物にしよう、冷奴と・・・玉子でも焼くか?」

「玉子は? 玉子焼き? 目玉焼きにする?」

「目玉焼きだな」

「うん、じゃあ 焼くね」

「豆腐は俺が切るよ」

冷蔵庫から食材を取り出し、二人はキッチンに並んで食事の用意を始めた。


  〈 コンコンッ!  コシャ ! ジューッ! 〉


「・・・新婚さんみたいだね・・・」

フライパンの玉子を見つめながら 少しはにかんだようにレイが囁いた。


「・・・新婚さんだったら、こんな事するんだろうな? 」

シンジは豆腐を取り分け 濯いだ手を タオルで拭うと

レイの腰に腕を回し 後ろから抱きしめた。

「ちょっ ちょっと  お兄ちゃん~  危ないょ~ 」

フライパンとターナーに両手を塞がれていたレイは体をくねらせて抵抗した、

でもそれは本当に嫌がっている様子では無かった。

『 危ないょ~ 』と言いながらその声は 可愛く甘えた声である

本当は 内心 まんざらでもない事が 『 鈍感な 』シンジにも解った。



 〈 カチン!〉

 〈 えっ? 〉

まだ玉子はきちんと焼けてはいないのに、

シンジはガスレンジの火を消してしまった。



「あっ!」

次の瞬間、レイは驚きの声を上げた。

シンジの手がレイの胸の膨らみを包み込み ゆっくりと揉みだしたのだ。


「あーんっ! おにいちゃーんっ 」

レイは少し困って、切羽詰った 声を上げた。



 〈 チュッ 、チュッ!〉

「おにいちゃーん だっ、だめだよぅ こんな所で」

シンジはレイの首筋に唇を這わせはじめた。


「あんっ! おっ・・にい・・ちゃんっ・・ 」

指先がブラジャー越しに 乳首の膨らみを捕え そっと摘んで

クリクリと優しく引っ張った。



「 あっ!ああっ! ああ‐ン!」

レイの声が甘い喘ぎ声に変わるのに 長い時間は掛からなかった・・・。