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女友達 第九章

 


 
  連続官能小説  女友達 (Girlfriend)


    第九章

      兄と母・・・。




 アスカは窓の外の景色を眺めながら

胸の中にポッカリと穴があいたような寂しさを感じていた。

〈 レイ・・・ずっとそばに・・・一緒にいて欲しかった・・。〉

レイのことばかりが頭の中に浮かんできた。


「ハァー」

大きなため息が出た。



    [ ピンポーン ] 



  玄関のベルが鳴った。


「はーい」

「母さん?、今日も泊まりじゃ無かったっけー?」

そう言いながらアスカがドアを開けると


「アスカ~!」

泣いているような声でレイがしがみついてきた。



「レイ!」

「どうしたの!ずぶ濡れじゃない?」

「コンタクトだったら私が・・・」

おどろいて抱きとめるアスカ。


「アスカー、私 クスン 」

「もうだめ、だめだよーっ ヒック!ヒック! 」

レイは肩を揺らして 泣きじゃくっていた。



「ちょっと、落ち着いて・・・ね、とにかく入って。」

アスカはクローゼットの中からタオルを取り出しレイに持たせた・・・。

「顔をふいて、さあ・・・。」



レイはタオルに顔をうずめた・・・。

肩がビクン・ビクンと揺れていた。



「とにかくお風呂に入ろう! 風邪ひいちゃうから、ね! 

                お湯、すぐに入れるから。」

アスカは素早く風呂の用意を済ませると、

レイを脱衣場に連れて行って濡れた服を脱がせ始めた

「何も心配いらないから、私がここにいるから・・ね。」

雨に濡れた 白いブラウスを脱がせながら、

レイの顔を見た、目に一杯涙をためていた。

〈 うわっ やばっ! 可愛すぎる! どうしよう? 

           キス したくなっちゃうょーっ! 〉

と、心の中で叫んでいた。


レイはまだ肩を揺らしながら立ち尽くしたままだ、 

仕方がないので アスカが下着まで脱がせる事にした。


「さあ、お風呂で暖まろうね。」

そう言ってレイの肩を抱き浴室へ導いた。

アスカが下になり 二人で体を重ねるように湯ぶねに浸かった。

まだ、半分しか入っていなかったお湯は、ちょうど一杯になった。

アスカはレイの震える体を後ろから抱きしめていた。



「・・・・。」

「・・・・。」



しばらくの沈黙のあとアスカが尋ねた

「一体、何があったの? レイ」


「・・・・。」

「お兄ちゃんが・・・。」

「お兄ちゃんが・・・お母さんと・・・お母さんと・・・」

震える声でレイが話し始めた。


「どうしたの?」

アスカが肩越しに顔を覗き込むように尋ねた。


「キス・・してた・・・。そう、キスしてたの・・・。」

深くうつむいて ゆっくり そう言った。


「エェーッ!」「どういうこと?」

大きな声でアスカは尋ねた。




「帰り道、急に夕立が降ったでしょう、 

私、濡れちゃって・・・、

ここからだと家の裏の方が近かったから

急いで 勝手口から入ったの、そしたら応接間で

お母さんとお兄ちゃんがキスしてたの・・・」




「ハチ合わせしたって事?」 

大きく目を見開いて尋ねるアスカ。



「違うの、私が見ただけ」

 記憶を確認するようにゆっくりと話すレイ。


「それってどういう事」 

理解できないアスカ。


「二人とも目をつぶってたんだもん。

お母さんはウットリしてるみたいだった・・・・。 

タオルを取りに 応接間の前を通ったら扉が少し開いてたの、

で覗いてみたらお母さんがいて・・お兄ちゃんとキスしてた・・。

アスカがしてくれたみたいな・・・ あんなキスだった。」


「・・・・。」


「どうしよう!、私、あの家には帰れない・・・。」

急に不安そうな声になるレイ。


「大丈夫、ここに・・・一緒にいればいいよ」 

後ろから抱きしめるアスカ。


「いい・・の?」

振り返るレイ。


「一緒にいてほしい・・・。」

じっと見つめるアスカ。


「ごめんね、ごめんね、アスカ・・・。」



「とりあえず、今日の夜も誰も帰って来ないはずだから・・・。」

遠くに視線を移すアスカ。



レイを抱きしめていたアスカの手に力が込められた。・・・。




 お読みくださってありがとうございます・・・続きをお楽しみに・・・。
              (執事:セバスチャン)